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教養・歴史 書評

『「鬱屈」の時代をよむ』 今野真二著 集英社新書 1155円

『「鬱屈」の時代をよむ』 今野真二著 集英社新書 1155円

 東日本大震災にコロナ禍、ウクライナ侵攻など、21世紀に入ってから暗い出来事が続き、「鬱屈」した重い空気が張り詰めている。こうした不安感に対抗するため、本書はスペイン風邪(1918~20年)や関東大震災(23年)など、100年前の危機に注目する。日本語学者の著者は、100年前の災厄の後でどんな言説空間が現れたのか、夏目漱石や佐藤春夫ら当時の文学作品をはじめ膨大な資料にあたり、今を生きるヒントを見つけだそうと試みる。(K)


週刊エコノミスト2023年3月7日号掲載

『「鬱屈」の時代をよむ』 今野真二著 集英社新書 1155円

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