教養・歴史書評

『箱根の開発と渋沢栄一』 武田尚子著 吉川弘文館 4180円

『箱根の開発と渋沢栄一』 武田尚子著 吉川弘文館 4180円

 箱根・仙石原が日本有数の観光地となった背景には著名な実業家・渋沢栄一の存在があった。近代日本で都市に生まれた財閥らがいかに地方を開発していったかを克明に再現した貴重な研究だ。渋沢と盟友の益田孝は明治期、かの地で牧場経営に着手。頓挫するも温泉や別荘地の経営で成果を上げていった。当時の皇太子(後の昭和天皇)が造成された民間のゴルフ場に通ったり、鉄道が電化されていったりする歴史も明かされるなど興味深い事実が多数。(W)


週刊エコノミスト2023年5月23・30日合併号掲載

『箱根の開発と渋沢栄一』 武田尚子著 吉川弘文館 4180円

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