週刊エコノミスト Online 書評 『硫黄島上陸』 酒井聡平著 講談社 1650円 2023年9月29日 『硫黄島上陸』 酒井聡平著 講談社 1650円 太平洋戦争で日米両軍が衝突した小笠原諸島の硫黄島。日本人戦没者2万人超のうち、いまだに約1万人の遺骨が見つかっていない謎に迫ろうとした北海道新聞記者の執念の記録だ。時に現地へ赴き、日米の公文書を徹底して調べ、米軍が島に核兵器を配備していたことなどを発掘。遺骨調査の障害になっている事実を突き止める。日本政府が米国にそんたくして調査に消極的になっている可能性も指摘。悲惨な戦禍がまだ残ることにがくぜんとさせられる。(W) 週刊エコノミスト2023年10月10・17日合併号掲載 『硫黄島上陸』 酒井聡平著 講談社 1650円 前の記事 『励起 仁科芳雄と日本の現代物理学(上・下)』 伊藤憲二著 みすず書房 (上)5940円・(下)6600円 次の記事 『ヒトラーの馬を奪還せよ』 アルテュール・ブラント著 筑摩書房 2640円 文字サイズ 小中大 印刷