プロ野球から弁護士へ――宮台康平さん
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TMI総合法律事務所 宮台康平/92
東大卒で史上6人目のプロ野球選手となった宮台康平さんが昨シーズン限りで引退した。現在は司法試験に向けて勉強漬けの毎日。これまでの野球人生から得たものとは――。(聞き手=和田肇・編集部)
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── 投手として所属したプロ野球・東京ヤクルトスワローズを最後に昨年10月、現役引退し、現在はTMI総合法律事務所(東京都)に所属しながら、弁護士の資格取得を目指しているそうですね。
宮台 大学では法学部を卒業したので、法律関係の仕事をしたいという気持ちがあったのと、どこかでスポーツに関わりを持っていたいという思いがありました。それを実現するには、弁護士が一番いいのではないかと考えました。スポーツと法律、弁護士の関わりは結構、多いんですね。例えば、米国では元マイナーリーグの野球選手が弁護士になり、選手と球団の交渉のサポートをするなどしています。
そう考えていた2022年12月、TMI総合法律事務所の弁護士の方から声を掛けてもらいました。僕が東京大学時代に大学の理事をしていた方です。ありがたいことに、今の事務所では司法試験の勉強に集中していいと言われているので、土日休日関係なく、勉強漬けの毎日。ロースクールも受験する予定で、司法試験は早くて2年後の受験を目指しています。
── 本格的な勉強は18年3月の大学卒業以来だと思いますが、手ごたえはどうですか。
宮台 大学卒業以来、5年間のブランクがあるので、ゼロからの出発という感じです。学生だったころの法学部の知識と、実際の司法試験に向けた勉強とは全然違いますね。
── 現役時代は身長178センチで、体重は82キロ前後でしたが、現在も体型を維持しています。トレーニングや運動はしているのですか。
宮台 体重は5キロほど落ちました。今は勉強の毎日なので、トレーニングはしていません。試合に向けて毎日体力的に調整するプロ野球選手時代とは一変した生活です。食事の量もプロ野球選手の時に比べて減りました。プロ野球選手時代は意図的に食事量を増やしていましたから。
日ハムから7巡目で指名
神奈川県立湘南高校から東京大学へ進学し、硬式野球部でサウスポーの投手として活躍した宮台さん。4年時の2017年には、東京六大学野球秋季リーグ戦で15年ぶりとなる勝ち点(同じ対戦相手に2勝)獲得に貢献した。同年のプロ野球ドラフト会議で7巡目に北海道日本ハムファイターズから指名を受けて入団。東大出身者では6人目のプロ野球選手となった。トライアウトを経て、20年末にはヤクルトと契約を結んだが、プロ通算5年で1軍登板は3試合、0勝0敗の結果だった。
── プロの世界はどうでしたか。
宮台 うまくいかないことが多かったですね。プロ野球選手は試合が仕事ですから、一年中試合をする。そこに向けて一年中、試合に合わせるために、パフォーマンスの調整を続けていくのが、体力的にしんどかったですね。ヤクルトに移った後も、2年間で1軍登板がわずか2度。もうプロでは難しいかなと思いました。自分で難しいと思った以上、もう続けられないと考え、自分から球団に辞めることを申し出ました。悔しかったですよ。夢破れたわけですから。次をどうするかなど考えていませんでした。
── 現役生活で印象に残っている試合や選手は?
宮台 やはり、プロになって1軍で初登板した時(18年8月23日)が、一番印象に残っています。相手は福岡ソフトバンクホークスで、柳田悠岐選手や松田宣浩選手など、そうそうたる選手を相手に投げることができました。その時は4回2死で降板しましたが、トップレベルのバッターは選球眼やスイングスピードが違うと実感した試合でした。
── 野球をしたり、かつてやっていた人は数多くいますが、プロになれるのはごく一握りです。野球を始めたのはいつごろからですか。
宮台 小学3年生の時に地元の横浜市内の軟式野球チームに入りました。親に勧められたのと、友達に誘われたのがきっかけです。僕の中では、野球はあくまで遊びの一つであり、勝利至上主義のチームではなかったので、楽しくやっていましたよ。体も小さかったので、チームの中で特にずば抜けていたというわけではありませんでした。
大学日本代表に33年ぶり
── 高校は進学校として知られる県立湘南高校に進学します。
宮台 高校の進路を決める時、学業のレベル優先で、かつ野球もしっかりやれる高校に行きたいと考えていました。湘南高校の野球部の練習は、中学に比べてきつかったですよ。公立校は私立強豪校に比べて、どうしても練習時間が少なくなるので、当時の湘南高校野球部は、朝練をやって昼休みも練習するなど、全体としての練習時間を多くするように努力していました。
勉強との両立はかなり大変でした。とにかく定期テストの点数だけ…
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週刊エコノミスト
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