教養・歴史書評

『吉村昭と津村節子』 谷口桂子著 新潮社 1815円

『吉村昭と津村節子』 谷口桂子著 新潮社 1815円

 記録文学の大家・吉村昭と芥川賞作家の津村節子。文芸界きってのおしどり夫婦と言われた2人の波瀾(はらん)万丈の人生を再現した。吉村が猛烈なアタックで津村を射止め、彼女を深く愛したものの、激高しやすく若いころは頻繁に夫婦げんかが勃発。ものぐさで放浪癖があり度々引っ越しするなど、津村にとって夫は想定外の面だらけ。しかし、結婚後も津村が書き続けることを望むなど、仕事に関しては夫婦ともに真摯(しんし)だった。複雑な愛の形が強く印象に残る。(W)


週刊エコノミスト2024年1月9日・16日合併号掲載

『吉村昭と津村節子』 谷口桂子著 新潮社 1815円

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