週刊エコノミスト Online書評

『消えた核科学者』 渡辺周著 岩波書店 2200円

『消えた核科学者』 渡辺周著 岩波書店 2200円

 1972年、茨城県東海村の旧動力炉・核燃料開発事業団に勤めていた技術者の男性が退職後、忽然(こつぜん)と姿を消した。そこから約40年がたち、彼は突然、政府によって北朝鮮に拉致された可能性を排除できない人にリストアップされる。著者は不可解な失踪の真相を追い、拉致問題の暗い実態を浮かび上がらせた。核関連の技術者らが複数行方不明となっており、北への核技術流出の可能性があるとの見方を示す。警察のずさんな捜査の実態も指摘している。(W)


週刊エコノミスト2024年2月20・27日合併号掲載

『消えた核科学者』 渡辺周著 岩波書店 2200円

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