『翻訳に生きて死んで』 クォン・ナミ著 平凡社 2750円
『翻訳に生きて死んで』 クォン・ナミ著 平凡社 2750円
韓国を代表する日本文学翻訳者が懸命に切り開いてきたキャリアを回顧したエッセーだ。20代にニート生活から脱出しようと始めた翻訳。初めて世に出た作品は出版社に別人の名義へ変えられ、その後も料金の安さや支払いの遅れに泣かされ、翻訳作品の企画書を作成しても編集者から反応が乏しいことに悩む。しかし、膨大な仕事をこなす真摯(しんし)な姿勢が次第に実を結び、出版社や読者の支持を獲得。日本の作家からも評価されるまでの歩みが爽快。(W)
週刊エコノミスト2024年6月4日号掲載
『翻訳に生きて死んで』 クォン・ナミ著 平凡社 2750円