貨幣の起源は前7世紀 歴史に学ぶ経済と人類
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今日、経済活動を広く媒介する貨幣だが、そのはじまりは古代にさかのぼる。
貨幣のうち、コインのはじまりは、紀元前7世紀のギリシャ時代、小アジア西部のリュディア王国(現在のトルコに位置)で起きたというのが、西洋では通説だ。当地では、金と銀の自然の合金「エレクトロン」が豊富に採掘できており、これを原料とした。ジョナサン・ウィリアムズ著『図説 お金の歴史全書』によると、正円ではなく卵形をしており、一つの面に1~2個の刻印されたマークがついている。デザインはライオン、オス鹿、オス羊などだという。
この「エレクトロン・コイン」は、経済活動以外にも使われていたのでは、との説がある。同書では「神々への個人的奉納の新しい方法だったかもしれない。あるいは名声を得ることを狙った従属者への贈り物だったのかもしれない」として「商業的な一連の目的ではない、あらゆる可能性がある」と指摘している。
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週刊エコノミスト
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