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法務・税務 2040年の社会保障を考える

2・9兆円投資で、出生率2・07到達の可能性 労働生産性上昇と…=柴田悠 本誌版「社会保障制度審」第10回

「合計特殊出生率 2.07」到達への道筋
「合計特殊出生率 2.07」到達への道筋

労働生産性上昇と子どもの貧困率低下も

 本誌8月14・21日合併号の前編を受けこの後編では、日本の出生数を左右する「3大要因」(労働時間、高等教育費、保育所定員)に焦点を絞り分析を進める。そのうえで「それら3大要因がいつまでにどの程度改善されれば、日本社会の持続可能性が十分に高まるのか」を、先進諸国の国際比較時系列データを使って検討する。

 もちろん本来は、日本社会の持続可能性の条件については、日本国内のデータを使って検討すべきだろう。にもかかわらず先進諸国のデータを使うのは、日本国内のデータが不足しているからだ。とくに高等教育費への公的補助は、基本的に国内一律の制度で行われており、自治体ごとでの差異がないため、国内のデータだけでは効果を検討しづらい。そのため次善の策として、先進諸国のデータを使うこととする。その際に日本特有の傾向も…

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