経済・企業特集

大図解・世界経済&マーケット 適温相場後の日本株 カギは「配当性向」の質 利益成長と組み合わせ=大川智宏

配当性向の質が高い銘柄はリターンが群を抜く
配当性向の質が高い銘柄はリターンが群を抜く

 成長株を中心に低ボラティリティー(変動率)で上昇を続けた適温相場が昨年末で終わり、米中貿易摩擦やトルコ問題など世界情勢の混乱が今、継続している。その中で、PER(株価収益率)など伝統的な指標に基づく投資効果も不安定さを増している。しかし、この状況下で、地道に淡々とリターンを上げている投資指標がある。配当性向だ。配当性向は「1株当たり配当額(DPS)÷1株当たり利益(EPS)」で表され、この値が高い企業は配当支払い、広く言えば株主還元に対して積極的と見なせる。一般に、一度引き上げた配当額や配当性向は下げにくいため、特に不況時や下落相場で底堅さを発揮することが多い。

 一方で、この地味な指標に好況時にもスポットライトを当てたのが、アベノミクスの肝煎りで始まったコーポレートガバナンス・コード(企業統治の指針)とスチュワードシップ・コード(機関投資家の行動指針)だ。これは、企業のガバナンス体制の強化のみにとどまらず、投資家の観点からは対話によって株主還元の改善を企業側に強く意識させた点が高く評価された。実際に、当時は株主還元に絡む指標は高い投資リターンを生んでいた…

残り891文字(全文1376文字)

週刊エコノミスト

週刊エコノミストオンラインは、月額制の有料会員向けサービスです。
有料会員になると、続きをお読みいただけます。

・会員限定の有料記事が読み放題
・1989年からの誌面掲載記事検索
・デジタル紙面で直近2カ月分のバックナンバーが読める

通常価格 月額2,040円(税込)

週刊エコノミスト最新号のご案内

週刊エコノミスト最新号

4月30日・5月7日合併号

崖っぷち中国14 今年は3%成長も。コロナ失政と産業高度化に失敗した習近平■柯隆17 米中スマホ競争 アップル販売24%減 ファーウェイがシェア逆転■高口康太18 習近平体制 「経済司令塔」不在の危うさ 側近は忖度と忠誠合戦に終始■斎藤尚登20 国潮熱 コスメやスマホの国産品販売増 排外主義を強め「 [目次を見る]

デジタル紙面ビューアーで読む

おすすめ情報

編集部からのおすすめ

最新の注目記事