大図解・世界経済&マーケット 適温相場後の日本株 カギは「配当性向」の質 利益成長と組み合わせ=大川智宏
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成長株を中心に低ボラティリティー(変動率)で上昇を続けた適温相場が昨年末で終わり、米中貿易摩擦やトルコ問題など世界情勢の混乱が今、継続している。その中で、PER(株価収益率)など伝統的な指標に基づく投資効果も不安定さを増している。しかし、この状況下で、地道に淡々とリターンを上げている投資指標がある。配当性向だ。配当性向は「1株当たり配当額(DPS)÷1株当たり利益(EPS)」で表され、この値が高い企業は配当支払い、広く言えば株主還元に対して積極的と見なせる。一般に、一度引き上げた配当額や配当性向は下げにくいため、特に不況時や下落相場で底堅さを発揮することが多い。
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一方で、この地味な指標に好況時にもスポットライトを当てたのが、アベノミクスの肝煎りで始まったコーポレートガバナンス・コード(企業統治の指針)とスチュワードシップ・コード(機関投資家の行動指針)だ。これは、企業のガバナンス体制の強化のみにとどまらず、投資家の観点からは対話によって株主還元の改善を企業側に強く意識させた点が高く評価された。実際に、当時は株主還元に絡む指標は高い投資リターンを生んでいた…
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週刊エコノミスト
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