経済・企業特集

大図解・世界経済&マーケット データで分かる!5 ドル・円相場の怪 「長期金利差」と崩れた相関=武田紀久子

    日米金利差と為替相場は相関関係が高い
    日米金利差と為替相場は相関関係が高い

     歴史的に見て、ドル・円相場の予想には常時有効な決定理論は存在しない。また、その時々で多数派が何に注目しているのかの見極めも重要だが、多数派が選択する指標や材料などの「物差し」は瞬時に別のものに替わり、相場に「非連続」が発生することも多い。

     2018年の相場はまさに、その非連続が起きている。15年から17年末までドル・円相場を予想する物差しの一つとして機能してきた日米の長期金利(10年国債金利)差と為替の相関が大きく崩れているのだ。

     単純化して言えば長期金利とは、一国の期待成長率と物価、そしてリスクプレミアム(投資家がリスクに応じて要求する上乗せリターン)の総和であり、いわば「おカネの値段」だ。2国間の長期金利差はおカネの値段の差であり、為替相場を予測する手がかりとして参照することはそれなりに意味がある。

     しかし、今年に入り、金利差と為替の相関が大きく不安定化している。年初から3月にかけて、そして6月以降から現在に至る二つの局面で、金利差との相関が崩れているのだ(図2)。こうした「金利差離れ(デカップリング)」は、市場参加者の関心が金利差以外の指標・材料へシフトした結果と言える。

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