会社を買う売る継ぐ 遅々として進まない「脱・経営者保証」=武下毅
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金融庁と中小企業庁は近年、金融機関に対して「経営者保証」に過度に依存しない融資の推進を求めている。(1)法人と経営者との関係の明確な区分・分離、(2)財務基盤の強化、(3)経営の透明性確保──といういわゆる「3要件」が満たされている場合、経営者保証を取らないことを「経営者保証に関するガイドライン」で定め、14年2月から適用した。金融庁はこの間、融資実行の際に経営者保証を取るべきかどうかをしっかりと検討するよう、繰り返し呼びかけてきた。
しかし、その後「保証に頼らない融資」の取り組みが広く浸透したとは言い難い。足元、金融機関の新規融資に占める経営者保証を取らない融資の割合は、全体平均で約16%に過ぎず、数字は関係当局の期待ほど上がらない。多くの地域金融機関には、「原則として保証は徴収すべき」との長年の融資慣行・実務方針が風土として残る。
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週刊エコノミスト
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