中国の闇 疑問3 「習近平1強」体制は盤石? 経済不安で揺らぎ始めた権威=興梠一郎
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「習近平総書記が党中央の核心であること、全党の核心的地位にあることを断固擁護する」
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中国国営の新華社通信は8月26日、中国共産党の規律処分条例が3年ぶりに改正されると報じた。党トップである習近平国家主席が、唯一の権力の中心であることを意味する「核心」であることを強調する文言が加えられるという。党内の汚職や腐敗を取り締まるための同条例で、改めて習氏が「核心」であることを示したことは、「指示に従わないと捕まえるぞ」という脅しだ。裏を返せば、習氏の地位が揺らぎ始めたことへの危機感の表れとも見て取れる。
中国では7月ごろから、民衆の不満が表面化している。7月上旬に上海市内で若い女性が習氏の肖像画に墨をかけ、その自撮り動画をネットに流す事件が起きた。この女性は「習近平の独裁暴政に反対する」と叫んでおり、当局に拘束されたと報道されている。
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週刊エコノミスト
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