国際・政治特集

EUが独自の国際送金網を検討 SWIFTの攻防=浅野貴昭 新冷戦とドル・原油・金

    「米国が介在しない、欧州独自の国際決済システムが必要だ」──。

     ドイツのハイコ・マース外相は今年8月、経済誌への寄稿論文のなかでそう主張した。具体的には、欧州通貨基金(EMF)と国際銀行間通信協会(SWIFT(スイフト))の代替機能の整備を訴えるもので、欧州の自立には不可欠な措置だと力説した。

    外交・テロ対策に利用

     SWIFTは銀行間の“国際送金”や“決済”を支える「メッセージ通信サービス」を提供する団体だ。本拠地はベルギーの首都ブリュッセルに置かれ、主要国の金融機関関係者が役員として名を連ねる国際的な協同組合である。世界の約1万1000の金融機関が、SWIFTが提供する通信フォーマットを用いて、オンラインで送金メッセージを伝送し、国際金融業務を行っている。

     SWIFT自身が送金や決済を担うわけではないが、SWIFTを介して膨大な量の金融取引情報が世界をめぐっている。この送金情報がなければ、銀行間の国際送金は成り立たない。SWIFTを介した決済額は、国際決済銀行(BIS)資料によれば2003年時点で1日当たり6兆ユーロ(約770兆円)という巨大さだ。しかも当時と比べて、現在はトラフィック(送金メッセージの数)が4倍に増えているため、決済額も大きく増え…

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