小説 高橋是清 第25話=板谷敏彦
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西南の役終結とともに日本はコレラ渦に襲われ、是清に大量のコレラ関連資料の翻訳仕事が舞い込んだ。一方、下宿先の主人茅野茂兵衛から経営不振の予備校の再建を依頼される。
第25話 銀紙相場
明治12(1879)年1月、24歳の是清は大学予備門の教師として復帰した。また共立学校(現開成学校)の校長として運営も担う充実した毎日を送っていた。コレラ予防策関連の翻訳仕事の収入も大きく、この年の春には第四国立銀行に4000円ほどの預金を積んでいた。
そんな是清に大家の茅野茂兵衛が世間話のついでに投資話を持ちかけた。
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週刊エコノミスト
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