中国の「一帯一路」 イタリアが協力合意 欧州14カ国に拡大=田中理
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中国の習近平国家主席とイタリアのコンテ首相は3月23日、広域経済圏構想「一帯一路」の協力に関する覚書を締結し、トリエステとジェノバの港湾などインフラ整備やエネルギー分野での幅広い協力で合意した。
欧州連合(EU)加盟国ではすでに、南欧や中東欧を中心に13カ国が同構想への参加を正式に表明している(地図)。こうした国々では中国との関係強化や出資拡大を歓迎する声が多い。先進7カ国(G7)の一員で、EUの中核国であるイタリアをその輪に加え、地中海周辺地域でのさらなる影響力拡大や米国主導の対中包囲網に楔(くさび)を打ち込む中国の狙いも透けて見える。
欧州では近年、中国企業の戦略企業買収による技術流出への警戒や、中国の不公正な商慣行を問題視する声が高まっている。2016年に産業用ロボット欧州最大手のKUKA(クーカ)を中国企業が買収。同社はドイツが国を挙げて推進する「インダストリー4・0」(第4次産業革命)にも参画する企業で、ドイツやEUの関係者に衝撃が走った。
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週刊エコノミスト
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