マーケット・金融とことんMMT(現代貨幣理論)

疑問・批判・誤解に答える ランダル・レイ「原書解説」=佐藤一光

    雇用をいかに生み出していくか(Bloomberg)
    雇用をいかに生み出していくか(Bloomberg)

     現代貨幣理論(MMT)への注目が高まっている。米国で民主党のアレクサンドリア・オカシオコルテス下院議員が支持したのを皮切りに、日本でも注目を集め、賛成・反対双方の論者がメディアなどで持論を展開している。もっとも、MMTには数十年にわたる議論の膨大な研究蓄積がある。政治的オピニオンに流されるのではなく、学術的蓄積に敬意を払って注意深く読み解く必要がある。賛否のいずれにしても、MMTの論理構成を正確に理解することが建設的な議論の第一歩となろう。本稿はMMTへの批判を念頭に置いて、その提唱者のひとりであるランダル・レイの考え方を解説する。

     レイの政策的主張は、失業率をゼロにすることが中心である。レイによれば、政府の財政赤字の水準を高めることで完全雇用を実現できるという。この考え方は経済学者のアバ・ラーナーの機能的財政(functional finance)という考え方に基づいている。機能的財政の考え方によれば、失業が存在しているということは財政赤字が少ない、すなわち租税負担が重過ぎるか、政府の支出水準が低過ぎることを意味している。

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