マーケット・金融

新型コロナで株価大暴落の今こそ投資信託が「買い」のワケ=福田猛

    新型コロナウイルスの影響で連日のように株式市場の暴落が伝えられ、投資家の不安が高まっています。

    どうみても「買い」相場ではない現状。ですが独立系ファイナンシャルアドバイザーとして著名な福田猛氏は、「今こそ買いのチャンス」と見ています。

    積立投資特有の「相場の変動にまどわされない投資法」を解説します。

    「公式」を理解していれば値下がりは怖くない!

    資産運用を行ううえでまず押さえていただきたいのは、次にあげる運用成果の公式です。

    【運用成果(評価金額)=価格×量】

    このシンプルな公式が重要です。

    例えば、株式投資を行っている人なら、「保有している株式の株価(価格)×株数(量)」を計算すると時価評価での運用成果を求められます。

    仮にA社の株式を1000株保有しているとします。A社の株価が今500円だとすると、評価金額は「500円(価格)×1000株(量)=50万円」になります。

    また、投資信託を保有している人の運用成果は、「その投資信託の基準価額(価格)×口数(量)」で計算します。

    そして資産運用には積立投資と一括投資という2つの方法があります。

    積立投資とは、「毎月」「同じ金額」「同じ投資対象を」購入し続ける行為です。定時定額購入とも言います。例えば、毎月、3万円、Aという投資信託を購入し続けるということです。

    一方、一括投資とは、「1度に」購入する行為です。金額は関係ありません。1万円でも100万円でも1000万円でも1度に購入することを言います。

    この積立投資と一括投資では投資すべき商品が実は異なります。

    まず一括投資から説明しましょう。

    ここに価格の動き方が違う2つの投資信託があります(図)。

    Aの投資信託は、価格が安定的に、振れ幅も小さく、右肩上がりに上昇しています。

    一方でBは、価格が上下に大きく振れながら動いています。価格は同じところからスタートして、ゴールの価格も同じです。

    「あなたが一括投資を行う場合、どちらに投資したほうが安心できますか?」と聞かれたらどうでしょうか? おそらくほとんどの人がAと答えるでしょう。

    その通りなのですが、なぜAなのかを「価格×量」で説明したいと思います。

    一括投資は買うタイミングが一度しかありません。もし100万円を投資するなら、一度に100万円で購入できるだけの量を購入します。

    購入したら、量が固定されます。量が固定されたら、運用成果は「価格×量」ですから、今後の価格変動のみが運用成果のすべてになります。この場合、「価格」が重要になるわけです。

    Bの投資信託のように上下に大きく「価格」が振れてしまうと、毎日評価金額が変わり、「損するのでは……」と思って、きっと怖くなってくるでしょう。

    安心しようと思ったら、Aのように安定的に価格が動く投資信託を選んだほうが良いということになります。

    一方、積立投資はAの投資信託よりBの投資信託で行ったほうが、価格が下がった時に「量」を買えるので、最終的にはより成果があがります。

    価格が下がっても「量」は減らない!

    積立投資とは、毎月同じ金額で買える量を積み上げていく行為です。

    毎月3万円の積立をするとしましょう。毎月3万円で買える量を積み重ねていくとすると、価格は上がったほうが良いでしょうか、下がったほうが良いでしょうか。

    「量」に着目すると、価格は下がったほうが多く買えます。「価格×量」の公式であらわすと、こうなります。

    【価格(↓)×量(↑)】

    ほとんどの人が、資産運用で成果があがるには購入した商品の価格が上がらないといけないと考えます。だからこそ、これから価格が上がるかどうかを一生懸命考えて、「買い時」を探ります。

    しかし、積立投資の場合は、価格は下がっても良いのです。

    価格が下がればその分、量を多く買えます。

    リーマンショックを想像してみてください。価格がぐんぐん下がっていくので、一括投資をしている人は恐怖感を覚えるでしょう。

    しかし、積立投資をしている人は量をどんどん買っていけるのです。価格が低迷すればするほど量をたくさん買うことができます。

    ここで重要なことが2つあります。

    ① 量は一度買ったら減らない。

    ② 価格はいつか上昇に転じる。

    まず、量はどんどん足していく、積み上げていくだけなので、一度買った分は減りません。

    価格が低迷することで、量を積み上げるペースが加速します。量が積み上がると「大量」になります。

    一方、価格はずっとは下がりません。個別の株式に投資をしていれば、もちろん倒産もあり得ますから、価格が下がり続けることもあります。

    しかし、何百、何千もの企業の株式に分散した投資信託であれば、すべての株式の価格が同時にゼロになることはありません。

    バブル崩壊や金融危機が起きても、価格はどこかで底打ちし、いずれ上昇に転じるのが常です。

    そのとき、積立投資をしていれば「量」が増えていますから、つまりいずれはこうなります。

    【価格(↑)×量(↑)】

    運用成果は上を向いたもの同士の掛け算ですから、つまり価格が下がったときにも「量」を勝っていたほうが、最終的な評価金額が増えるという結論になるのです。

    ○○ショックと呼ばれるようなことが起こると株式市場は大きく下落しますが、長期積立投資をしている人にとっては量を積み上げる絶好のチャンスになります。積立投資をうまく活用できれば長期的に大きな成果につながります。

    (書籍『資産運用のはじめかた』より抜粋)

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