週刊エコノミスト Onlineコロナ危機の経済学

英知を結集 前例なき時代へ処方箋=編集部

     <緊急提言 コロナ危機の経済学>

     <第1部 政治・経済編>

    「空はこんなにきれいだったのか。かつて米国で感じたような日差しだ。この感覚は世界中で広がっているのだろう。地球環境についても本当に考えないといけない」。5月連休の間の平日、竹中平蔵・東洋大教授は東京都心のビル街に広がった青空に触れ、表情を緩めた。

     新型コロナウイルスの感染拡大は社会や経済に打撃を与えた。世界では都市封鎖(ロックダウン)が続き、実体経済に大きな影響が出ている。

     しかし、思いもよらぬ変化も現れ始めた。世界最悪の大気汚染国とされるインドでは、3月下旬から始まったロックダウンで、わずか数日の間に青空を取り戻したというのだ。工場閉鎖や交通量の減少で排ガスが激減したためだ。

     中国や欧州の都市でも、いつもより澄んだ空気が街の中に広がっている。コロナ後の青空が、エネルギー政策など産業構造の変化を加速させるきっかけになるかもしれない。

     今回の特集では経済学者や民間エコノミストが、未曽有の危機に見舞われた現状を「戦時体制」「ESG」「資本主義」などさまざまな角度から分析した。そして、コロナ終息後に大きく変化するであろう経済や社会を踏まえ、今後の世界のあり方も緊急提言した。

     日本総合研究所の寺島実郎会長は「生身の人間に立ち返れ」と述べ、過度に金融に依存した経済の現状を批判する。同志社大大学院の浜矩子教授は「日本企業は魂を取り戻し『世のため、人のため』を実践すべき」と提言する。元駐中国大使の丹羽宇一郎氏は「結局人類は、新型コロナウイルスと共存するしかない」と訴える。コロナ危機が社会や経済、暮らしを問い直す大きな契機になるだろう。

     表紙と16ページに使った「アマビエ」をご存じだろうか。弘化3(1846)年春に、肥後国(現在の熊本県)に出没した妖怪。疫病退散の御利益があるとされる。鳥のようなくちばしを持ち、長い髪や鱗(うろこ)に覆われた体が特徴だ。人魚のようにもみえる素朴な姿に、多くの人は一日も早くコロナが終息するよう願い、明るい未来の到来を待ち望んでいる。

    (編集部)(コロナ危機の経済学)

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