マーケット・金融

「GoToキャンペーン」で得をするのは誰なのか=立沢賢一(元HSBC証券会社社長、京都橘大学客員教授、実業家)

記者会見で質問に答える自民党の二階俊博幹事長=国会内で2020年2月25日午前10時40分、川田雅浩撮影
記者会見で質問に答える自民党の二階俊博幹事長=国会内で2020年2月25日午前10時40分、川田雅浩撮影

「一般社団法人全国旅行業協会の会長」とは?

7月下旬から旅行クーポン発行 緊急事態解除受け喚起策―政府

https://www.jiji.com/jc/article?k=2020052500295&g=eco

2020年度第1次補正予算で約1.7兆円が計上された「Go To キャンペーン」は、旅行会社などを通じて旅行商品を購入した場合、代金の半額分の割引クーポンが付与される仕組み。また旅行代金を割り引くだけでなく、土産や施設利用の割引券などと組み合わせることで、旅先での消費喚起を狙う。 (引用:時事ドットコム  一部抜粋)   

というニュースが5/25に配信されました。このニュースについてコメントします。

端的に申し上げますと、自民党の最大権力者である二階幹事長が、「全旅クーポン」を発行している一般社団法人全国旅行業協会の会長を兼務しているので、彼の立場上どうしても旅行券を出したいのが真の理由、と考えられます。

以前牛肉券の話が出た時も、旅行券の話も出ました。当時は外出自粛の必要性があるタイミングで、旅行券を出して旅行を推進するのは流石にNGでした。ほとぼりが冷めてきたので、1.7兆円を旅行券に充てるというのは恐らく前々から計算されていたのだと思います。

ですから「クーポン券万歳!」とか喜んでいるのではなく、これが何を意味するのかという情報の裏読みがとても大事なのです。

日本は2020年世界報道自由度ランキングで66位と先進国の中で最下位に位置しています。つまり、知らず知らずの内に私達の手元に入ってくる情報はバイアスが掛かっている場合が多々あるのです。

このニュースはこれからの時代、私達が情報リテラシーをしっかりと身に付けないといけないとつくづく感じさせるニュースの一例として認識すべきです。

立沢賢一(たつざわ・けんいち)

元HSBC証券社長、京都橘大学客員教授。会社経営、投資コンサルタントとして活躍の傍ら、ゴルフティーチングプロ、書道家、米国宝石協会(GIA)会員など多彩な活動を続けている。投資家サロンで優秀な投資家を多数育成している。

YouTubeチャンネル https://www.youtube.com/channel/UCgflC7hIggSJnEZH4FMTxGQ/

投資家サロン https://www.kenichi-tatsuzawa.com/neic

インタビュー

週刊エコノミスト最新号のご案内

週刊エコノミスト最新号

5月14日・21日合併号

ストップ!人口半減16 「自立持続可能」は全国65自治体 個性伸ばす「開成町」「忍野村」■荒木涼子/村田晋一郎19 地方の活路 カギは「多極集住」と高品質観光業 「よそ者・若者・ばか者」を生かせ■冨山和彦20 「人口減」のウソを斬る 地方消失の真因は若年女性の流出■天野馨南子25 労働力不足 203 [目次を見る]

デジタル紙面ビューアーで読む

おすすめ情報

編集部からのおすすめ

最新の注目記事