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藤井聡太 最年少タイトル挑戦権獲得はコロナのおかげ?
将棋の藤井聡太七段(17)が久々に最年少記録を成し遂げた。
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6月4日、名人、竜王などと並ぶ将棋界8大タイトルの一つ、棋聖への挑戦者を決める決勝で、永瀬拓矢2冠(27)=王座・叡王=を相手に100手で勝利したのだ。
藤井は8日に始まる渡辺明棋聖(36)=王将、棋王と合わせて3冠=に挑戦する五番勝負に17歳10カ月20日で進出。屋敷伸之九段(48)の最年少記録を31年ぶりに4日更新した。
マスク姿の2人は、互いに玉を囲わずに戦端を開く激しい攻防を繰り広げた。
前半は先手の永瀬が押したが、藤井は冷静にしのいで盛り返し、終盤は秒読みに追われた永瀬の失着を誘って完勝した。
感染防止のため控室からリモート取材をする報道陣に、藤井はいつものように淡々と応答。
「(最年少挑戦は)意識していなかった」「(五番勝負は)1勝でも多く勝てるように頑張りたい」
などと話した。
公式戦で渡辺3冠とは、昨年の「朝日杯将棋オープン」決勝で相まみえ、藤井が制した。相手が大棋士でも、盤面に集中できるのが藤井の強みだ。
小学生時代の藤井が通った「ふみもと子供将棋教室」(愛知県瀬戸市)の文本力雄さんは「永瀬2冠相手に見事な一戦でした。高校に通うという大きなハンディーキャップがあったけど、コロナで長い休校になり、いつもより将棋の勉強ができたのもよかった。ファンから私にまで祝福のメッセージが届いてうれしいですよ。10代のうちに大暴れしてほしい」とエール。
7月に18歳になる藤井が棋聖のタイトルを取れば、屋敷の18 歳6カ月を更新してタイトル獲得最年少。その上、今後も多くの最年少記録を更新するという期待がかかる。
緊急事態宣言で遠距離移動を伴う対局ができず今回の達成は危ぶまれたが、解除に合わせて公益社団法人「日本将棋連盟」は急きょ、日程を組んだ。
期待に応えて僅差の新記録を達成するあたり、やはりスターである。
(粟野仁雄)