教養・歴史 書評 『紫外線の社会史』 金凡性著 岩波新書 800円 2020年7月3日 『紫外線の社会史』 金凡性著 岩波新書 800円 紫外線と聞けば、「美容の敵」と呼ばれたり、皮膚がんの原因とする説もあり、あまり評判が芳しくない。しかし本書は、そんな目に見えない光を主人公にした時、日本社会がどう映るのかを探求した異色の歴史書である。「健康に有益なもの」とされ、ブームが起きた1920~30年代の様子や、紫外線をいつどこでも入手できる紫外線ランプの開発などテクノロジー面、階級や人種との関わり、「肌の色」という概念をめぐる攻防など文化的側面にも触れる。(D) 前の記事 「築地市場の豊洲移転問題」小池都政最大の汚点を都庁官僚が告発=田代秀敏(シグマ・キャピタル チーフエコノミスト) 次の記事 「毎日定休日」化した京都・三月書房=永江朗 文字サイズ 小中大 印刷