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「諸悪の根源、東京からはちょっと・・・」観光解禁と感染対策のジレンマに悩む京都【サンデー毎日】
都道府県をまたぐ移動の自粛が6月19日に解除となった。
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その前日、京都市の門川大作市長は記者団にこう話した。
「まずは京都や関西圏の方、そして徐々に全国の方にお越しいただきたい」
東京の名こそ出さないものの、首都圏から人が押し寄せることに警戒感を表したとみていいだろう。
門川氏は「決して元のオーバーツーリズムに戻さない」とも強調した。
京都市は1月の外国人宿泊客数が前年同月比18・1%増(京都市観光協会「データ月報」)となるなど、同月中旬までインバウンド(訪日外国人)特需に沸いていた。
しかし、錦市場商店街の店に中国人の〝爆買い〞を目当てにした高額商品が並ぶようになり、寺や神社の静かなたたずまいは消え失せた。
市民は混雑や騒音、外国人客のマナーに反する行動に悩むようになり、国内観光客は京都市を敬遠するようになった。
門川氏が問題視してきたオーバーツーリズム(観光公害)だ。
それが新型コロナウイルスによって一変した。
4月の外国人宿泊客は「ほぼ消失」(京都市観光協会)の同99・7%減。例年7月に開く祇園祭の山鉾巡行も中止になった。
京都市が望みを託すのは修学旅行生だ。
昨年、同市を訪れた修学旅行生は約70万人。門川氏は回復の手始めに、都道府県の教育長や政令指定都市の市長らに京都への修学旅行を要望する文書を送った。
修学旅行生が伝統文化を体験できる場を設けることも検討しているという。
門川氏は6月18日、新型コロナの感染防止策をこう強調した。
「(修学旅行生の)たとえ一人でも高熱の人が出た場合は、そのグループ全員に希望によってPCR(遺伝子)検査を実施する。結果が出るまで待機していただく」
関西以外に住む人が、JR東海のテレビCMで聞いた「そうだ京都、行こう。」とばかりに、新幹線に飛び乗って京都を楽しめる日はまだ先のようだ。
(粟野仁雄)