教養・歴史 書評 『通貨・租税外交』 浅川雅嗣著、聞き手/清水功哉 日本経済新聞出版 2200円 2020年9月4日 『通貨・租税外交』 浅川雅嗣著、聞き手/清水功哉 日本経済新聞出版 2200円 財務省で為替など国際問題を担当する財務官を4年と史上最も長く務めた著者の詳細な回顧録だ。就任直後のトランプ米大統領が「円安誘導」と日本を批判したのを受け、初の日米首脳会談で話題にしないよう米政府に働き掛けるなど、重大局面で国益を確保するためにどう考え、どう動いたかが語られる。安倍政権の経済政策などに関する箇所は検証が必要だろうが、通貨や租税をめぐる国際交渉の熱い舞台裏が垣間見える点は非常に価値がある。(W) 前の記事 8月13~19日(ビジネス/フィクション) 次の記事 ついにデジタル通貨の覇権争いが始まった……『アフター・ビットコイン2』中島真志に聞く、ブロックチェーンと仮想通貨の現在地 文字サイズ 小中大 印刷