教養・歴史書評

『脱成長』 セルジュ・ラトゥーシュ著 白水社 文庫クセジュ 1200円

『脱成長』 セルジュ・ラトゥーシュ著 白水社 文庫クセジュ 1200円

 脱成長運動を導いてきた研究者が、その趣旨をまとめ、誤解や批判にこたえた。長年の研究の集大成ながら、端的にかみくだいたコンパクトな書だ。代表的な批判は「先進国は既に脱成長で失業が起きている」というものだが、景気後退やマイナス成長と脱成長を同一視しないよう注意を促す。脱成長とは、生産力至上主義、消費社会からの脱却であり、価値観を転換する挑戦なのだ。「持続可能な開発」を欺瞞(ぎまん)と批判し、生態的限界を認識するよう促す。(A)

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