教養・歴史 書評 『社会保障と財政の危機』 鈴木亘著 PHP新書 930円 2021年1月8日 『社会保障と財政の危機』 鈴木亘著 PHP新書 930円 新型コロナウイルスは医療や介護、年金、生活保護の窮状をあぶり出した。社会保障研究の第一人者が各分野の課題解決へ処方箋を提示、早急な行動を促す。感染者が欧米より圧倒的に少ないのに、日本が医療崩壊の危機に瀕(ひん)しているのは、厚生労働省による対策のレベル設定が高過ぎたためと断じるなど、考察は切れ味鋭く分かりやすい。コロナ禍をきっかけに抜本改革に取り組むか、先送りしてもっと大きな危機を迎えるかの岐路にあるとの指摘は至言だ。(W) 前の記事 『われらが〈無意識〉なる韓国』 四方田犬彦著 作品社 2700円 次の記事 中国 「怒る」べきか、「反省」すべきか 日清戦争論=辻康吾 文字サイズ 小中大 印刷