教養・歴史書評 『デジタルエコノミーの罠』 マシュー・ハインドマン著 NTT出版 2600円 2021年2月19日 『デジタルエコノミーの罠』 マシュー・ハインドマン著 NTT出版 2600円 インターネットは二つあると著者は言う。現実のインターネットと、通信や経済生活を民主化してくれると利用者が信じているフィクション化されたそれだ。著者は、既得権益とは違う可能性を開いてくれるかに思われた世界が、強大な市場支配力を持つ企業に支配されている実態を示す。それは自由で平等な競争どころか不平等を生産する装置だ。豊富なデータと経済理論でそのことを明らかにしつつ、こんなネットの罠(わな)から逃れる方法も探っていく。(K) 前の記事 『医療の外れで』 木村映里著 晶文社 1600円 次の記事 アメリカ 日本式(?)「生きがい」論ブームの原因=冷泉彰彦 文字サイズ 小中大 印刷