教養・歴史書評

『経済学の堕落を撃つ』 中山智香子著 講談社現代新書 1000円

『経済学の堕落を撃つ』 中山智香子著 講談社現代新書 1000円

 堕落とは穏やかでないが、批判は明快だ。人間が価値を選び取りながら生きることを支えるはずの経済学が、価値観から中立を装う“科学”に変貌した点を突く。新自由主義の自由とは価値ではなく、効率的な手段に過ぎない。140年の変遷をたどるうえで軸に置いたのはカール・ポランニー。自由主義とマルクス主義の両方を摂取しつつ距離を置いた人物だ。MMT(現代貨幣理論)やピケティなど直近の議論も含め、多方面の論者を見取り図に位置づけた。(A)

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