教養・歴史 書評 『わたしたちが沈黙させられるいくつかの問い』 レベッカ・ソルニット著 左右社 2200円 2021年3月5日 『わたしたちが沈黙させられるいくつかの問い』 レベッカ・ソルニット著 左右社 2200円 「♯MeToo」運動で女性たちは、沈黙を破って性暴力の被害を訴え始めた。フェミニズムをその筆で担う米作家のエッセーは、あらゆる場面で女性に向けられる抑圧に対し、ユーモアを交えて切り返して無効化する。「沈黙と恥には感染力がある。勇気と声をあげることだってそうだ」と力づける。日本の元首相は、会議で女性が続けて発言することを「競争意識が強い」と解したが、ソルニットに言わせれば、誰かの勇気ある発言を支える連帯なのだ。(A) 前の記事 『経済学の堕落を撃つ』 中山智香子著 講談社現代新書 1000円 次の記事 「色覚異常」の著者が探る 時に痛快なノンフィクション=高部知子 文字サイズ 小中大 印刷