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教養・歴史書評

レンタル文化が消える…… 最大手トップカルチャーが撤退=永江朗

永江朗の出版業界事情 トップカルチャー、レンタル事業から撤退

 トップカルチャーがレンタル事業から撤退というニュースが、書店業界に衝撃を与えている。新潟市に本部を置く同社は1都9県に蔦屋書店とTSUTAYA(ツタヤ)を74店舗展開し、カルチュア・コンビニエンス・クラブ(CCC)のチェーンで最大のフランチャイズ加盟会社。2020年10月期の売上高は301億円だった。

 7月15日、トップカルチャーは中期経営方針を発表したが、そのなかで今後2年間、23年10月期をめどにレンタル事業から撤退し、書籍の販売強化とともに雑貨文具の販売強化、そしてコワーキングスペース事業へ進出していくことを明らかにした。レンタル撤退の理由は急激な売上高減少であり、その背景にはレンタルから配信へというライフスタイルの激変がある。コロナ禍が拍車をかけたといえるだろう。

 書店界では1980年代から、レンタルビデオ・レンタルCDとの複合型店舗が郊外のロードサイドを中心に増えた。レンタルサービスの利用客は返却時にも店舗を訪れるので、書店にとっては来店機会の拡大につながるとして歓迎された。また、仕入れた商品を効率よく回転させれば高収益を上げられるレンタルビジネスは、物販とは本質的に違う“もうけ方”を書店界にもたらした。媒体がビデオテープからDVDに変わっても、その傾向は続いた。

 しかし、15年に定額制動画配信サービスのネットフリックスが日本でもサービスを開始したあたりから環境は激変。街からレンタル店が次々と消え、ツタヤの閉店も続いている。最大規模の品ぞろえを誇った旗艦店、恵比寿ガーデンプレイス店が18年に閉店したのも記憶に新しい。CCCはカフェや雑貨販売と複合した蔦屋書店・蔦屋家電に力を入れており、今回トップカルチャーが発表した経営方針もその線に沿ったものといえる。

 トップカルチャーはレンタル撤退にあたって、CCCに対して21億円の撤退ペナルティーを支払うという。逆にいうと、ペナルティーを支払ってでも撤退しなければならないほどレンタル事業はもうからないものになった。地方のロードサイドの風景が変わっていく。


 この欄は「海外出版事情」と隔週で掲載します。

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