教養・歴史 書評 『財務省の「ワル」』 岸宣仁著 新潮新書 814円 2021年8月27日 『財務省の「ワル」』 岸宣仁著 新潮新書 814円 かつてエリート中のエリートと評されたが近年は不祥事続発で地盤沈下が著しい財務省のキャリア官僚。その生態と出世の条件を、長年取材してきたベテラン記者が解説。政治家や他省庁と交渉することなどから、秀才ではなく遊びもできるしたたかな「ワル」タイプの人材が評価されたと指摘。しかし、その文化が不祥事を生む土壌になったと分析する。非効率な長時間労働を嫌がり若い人が定着しない潮流を変えようともがく上層部の姿は悲痛だ。(W) 前の記事 『新たな医療危機を超えて』 真野俊樹著 日本評論社 2090円 次の記事 『日本金融百年史』 横山和輝著 ちくま新書 1100円 文字サイズ 小中大 印刷