教養・歴史 書評 『ネルソン・マンデラ』 堀内隆行著 岩波新書 880円 2021年9月10日 『ネルソン・マンデラ』 堀内隆行著 岩波新書 880円 獄中生活27年を経て南アフリカ共和国初の黒人大統領となったネルソン・マンデラ。アパルトヘイト撤廃への尽力によって、聖人君子の印象を持たれている。しかし著者は、彼はいたって冷静な現実主義者であったと分析する。その生い立ちや教育過程などを探り、厳しい現実をしっかり見据える力をどのように獲得していったかが語られる。そして偏狭なナショナリズムによる世界の分断が進む今こそ、「和解」を成し遂げたマンデラに学ぶべしと結論する。(K) 前の記事 元「ニューヨーク・タイムズ」東京支局長が「日本の愛国」を分析=孫崎享 次の記事 日記に約60軒も! 食いしん坊・魯迅の姿を活写 文字サイズ 小中大 印刷