教養・歴史 書評 『ナラティブ経済学』 ロバート・J・シラー著 東洋経済新報社 3080円 2021年9月10日 『ナラティブ経済学』 ロバート・J・シラー著 東洋経済新報社 3080円 市場の不合理性の研究で2013年にノーベル賞を受賞した経済学者が、その不合理性をマクロ経済に広げて論じる。バブルや恐慌などの経済的事象は「ナラティブ」(「物語」「話術」を意味する英語)との相互作用と捉え、大恐慌からビットコインまでの経過をたどる。ナラティブとは「持ち家は成功の証」「機械が人間の仕事を奪う」といった物語であり、ナラティブを理解して経済学を開かれたものとするには人間の思考や物語を分析する人文学の知見が有効と説く。(A) 前の記事 元「ニューヨーク・タイムズ」東京支局長が「日本の愛国」を分析=孫崎享 次の記事 日記に約60軒も! 食いしん坊・魯迅の姿を活写 文字サイズ 小中大 印刷