教養・歴史 書評 『ウミガメは100キロ沖で恋をする』 菅沼弘行著 方丈社 1650円 2021年9月10日 『ウミガメは100キロ沖で恋をする』 菅沼弘行著 方丈社 1650円 絶滅の危機に瀕(ひん)するウミガメを救おうと世界の熱帯を回る著者。半世紀近く重ねてきた生態調査などの経験の貴重な記録で、人間には「保護」できるほどの知識も能力もないと指摘。広く行われている卵の移植は効果なしと断じるなど、さまざまな誤解を否定し、ウミガメのライフサイクルに人が関わらない「保全」こそが重要と主張する。現地で卵の盗掘人を自腹で監視人に雇うなど、一見型破りだが地道な活動がウミガメの苦境を打開すると信じたい。(W) 前の記事 元「ニューヨーク・タイムズ」東京支局長が「日本の愛国」を分析=孫崎享 次の記事 日記に約60軒も! 食いしん坊・魯迅の姿を活写 文字サイズ 小中大 印刷