教養・歴史 書評 『書物と貨幣の五千年史』 永田希著 集英社新書 990円 2021年10月29日 『書物と貨幣の五千年史』 永田希著 集英社新書 990円 ともに電子化が進む書物と貨幣。その歴史は情報を扱う手間と時間を省略し、ブラックボックス化してきた過程だと本書は読み解く。書物であれば口承で語り継いだ物語を文字で書き表すようになり、羊皮紙や木簡が紙に代わり、印刷によって爆発的に普及した。貨幣はそもそも多様なモノの価値を一つの記号で表す。金属から紙幣、口座残高へと転じた。閉じられたブラックボックスを一つ一つ開けることで、不可視化された情報に操られることにあらがう。(A) 前の記事 『モビリティと地方創生』 切通堅太郎、西藤真一、野村実、野村宗訓著 晃洋書房 3080円 次の記事 アメリカ ヒラリー氏の娯楽小説がヒット=冷泉彰彦 文字サイズ 小中大 印刷