教養・歴史書評

『書物と貨幣の五千年史』 永田希著 集英社新書 990円

『書物と貨幣の五千年史』 永田希著 集英社新書 990円

 ともに電子化が進む書物と貨幣。その歴史は情報を扱う手間と時間を省略し、ブラックボックス化してきた過程だと本書は読み解く。書物であれば口承で語り継いだ物語を文字で書き表すようになり、羊皮紙や木簡が紙に代わり、印刷によって爆発的に普及した。貨幣はそもそも多様なモノの価値を一つの記号で表す。金属から紙幣、口座残高へと転じた。閉じられたブラックボックスを一つ一つ開けることで、不可視化された情報に操られることにあらがう。(A)

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金利ある世界18 長期金利の居場所の探り合い 10年国債が主役に復活する日■稲留克俊21 絶えざる資産インフレとデフレ■水野和夫22 ドル・円 米金利上昇で景気失速、金利低下 1ドル=130円の円高を目指す■吉田恒24 日本株 企業に生じた「インフレ利得」 「マイナス金利」が追い風に■黒瀬浩一27 [目次を見る]

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