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2022年入試:国公立・私立232大学4大模試最新難易度・医療系編 コロナ禍でも続く人気の回復基調〈サンデー毎日〉

    「サンデー毎日11月21日号」表紙
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     国公立大の医学部が志望増

     コロナ禍における医療系志望者は、志望を貫くのかどうか、仕事のやりがいと過酷さの間で逡巡したのではないか。そうした中で行われる2022年度入試(22年4月入学)の医療系学部はどのような志望状況が見込まれるのか。

     医療系学部を目指す受験生にとって、将来の仕事の厳しさは織り込み済みのはずだが、コロナ禍でさらなる困難さを知った。そうした状況の中でも、最難関の国公立大医学部(医学科)の志望状況は堅調のようだ。

     系統別志望状況にある国公立大医学部の前年度の志望者を100とした指数は101。国公立大医学部は志願者の減少が続いてきた。だが、コロナ禍の不透明な経済状況下でトップ層の医学部志向が高まり、21年度入試は下げ止まった。22年度も志願者が増えそうだ。東進ハイスクールの広報部長、市村秀二氏は言う。

    「コロナ禍で医師の仕事がメディアなどで大きく取り上げられて注目が集まったことが、国公立大を中心に医学部志望者が増えている要因だと見ています。人命を救う仕事の重要性に、やりがいを感じる受験生が増えているのだと思います。コロナ禍で、東大より地元の医学部を目指す、地方の優秀な受験生層の影響もあるでしょう」

     経済状況を背景としたトップ層の医学部志向の強まり。さらに、医師への使命感や地域間の移動を避けたいという、コロナ禍特有の要因が国公立大医学部の志望者を増やしているようだ。

     個別の大学の動きを見ると、定員や入試方式などを変更する大学の志望動向に注意が必要になりそうだ。河合塾教育情報部長の亀井俊輔氏は言う。

    「北海道大・医の募集人員が5人減り、名古屋大・医は、前期で第1段階選抜を実施し、大学入学共通テストで700点以上得点しないと不合格になります。ともに受験生にはネガティブな要因ですが、志望者は減っておらず倍率が上がりそうです。一方、岐阜大・医のように、前期の募集人員が8人増えるのに志望者は前年並みで倍率が下がりそうなケースもあるので、入試変更に注意してください」

     宮崎大・医の前期は、募集人員が5人減る。しかし、2次試験で新たに理科2科目を課すことや前年の志願者増の反動で敬遠され、倍率が上がらない可能性がある。もちろん、共通テストの平均点次第で受験生は動くので、最終的な出願状況に注意する必要がある。難関な国公立大医学部は、小さな変更にも注意が必要だ。

     国公立大の志望者が増える一方、系統別志望状況にある私立大医学部の指数は94と減少。駿台教育研究所進学情報事業部長の石原賢一氏が、その要因を説明する。

    「コロナ禍で経済状況が厳しい家庭が多くなる中、学費の高さが私立大医学部の志願者が増えない大きな要因です。私立大の医学部は都市部に多く、移動を避けたい地方の受験生の影響もあるでしょう。私立大医学部の中でも、中堅以下で志望者が減少し、入りやすい大学が出てきそうです」

    「国公立・私立232大学 医・歯・薬・保健・看護・獣医系学部 4大模試最新難易度」を見ると、私立大医学部の初年度納入金は500万円以上の大学が大半。このことが、医学部志望者が増えても、私立大の志望者が増えない要因となっている。

     そうした中で、志望者が増えているのは、私立大の中で学費が安い順天堂大。その他に、22年度入試から共通テスト方式を導入し、国公立大志望者が併願しやすくなる東北医科薬科大や帝京大、近畿大などの志望者が増えている。

     医学部ほどではないが、学費負担が大きい私立大歯学部は、志望者が増えており指数は103。国公立大も102と増えている。

    「国公立大と私立大ともに、前年の志願者減の反動で、志望者が増えています」(駿台の石原氏)

     人気が継続の薬学系、保健衛生系は減少か

     医学部と同様にコロナ禍の影響により、志願者増が見込まれているのは薬学系だ。21年度に引き続き人気が高くなっている。ベネッセコーポレーション学校カンパニー教育情報センター長の谷本祐一郎氏は言う。

    「国公立大と私立大ともに22年度は薬学部の志願者が増えそうです。就職が厳しくなることを見越した資格志向。加えて、コロナ禍でワクチンや治療薬に注目が集まる中、研究志向の受験生が増えていることから、東北大や京大、大阪大、九州大など難関大薬学部の志望者が大きく増えていることが特徴です」

     国公立大の薬学系では、金沢大や岡山大といった準難関大も志望者増。さらに、薬学部の受験機会を増やそうと、中期日程の岐阜薬科大も志望者が大幅に増えているので注意が必要だと言う。

     保健衛生系の志望者は、国公立大が前年並みで私立大が減少傾向となっている。中でも、看護の志望者が減っているようだ。

    「看護現場の過酷さから、保護者が反対するケースが増えています」(予備校関係者)

     22年に新設される川崎市立看護大も学費負担が低い公立でありながら、現時点で志望者が集まっていない。一方、慶應義塾大・看護医療のように、新たに面接を導入するにもかかわらず志望者が増えているケースもあるので、志望校の状況に注意したい。私立大の場合は、看護系以外でも理学療法や作業療法なども、志願者が増えて難化傾向にあることから、志望者が減少傾向にあるようだ。

     コロナ禍で戸惑った医療系志望者が多いと見られるが、この時期になれば目指す学部系統が決まっているはず。「医・歯・薬・保健・看護・獣医系学部 4大模試最新難易度」を志望大学選びの参考にしてほしい。

     11月9日発売の「サンデー毎日11月21日号」には「国公立・私立232大学 医・歯・薬・保健・看護・獣医系学部 4大模試最新難易度」の一覧表を掲載しています。

     他にも「衆院選総括 リベラルよ、負けて強くなれ 佐高信×望月衣塑子」「変われ、ニッポン8人の緊急提言 山極寿一、中村文則、世良公則…」「90歳大村崑がムキムキになっていた!」などの記事を掲載しています。

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