教養・歴史 書評 『何もしない』 ジェニー・オデル著 早川書房 2530円 2021年11月19日 『何もしない』 ジェニー・オデル著 早川書房 2530円 原題には「注意経済(アテンション・エコノミー)への抵抗」とある。SNSにクリックを誘う映像やキャッチコピーがあふれ、人々が向ける関心が企業に利益をもたらしている。関心を引くよう巧みに設計されたプラットフォームも利益を得る。本書は「SNSを離れ、有意義に時間を使おう」と説くこともまた、その世界の内部に過ぎないとみる。アーティスト・作家である著者が注意を向けるのは、アートであり自然。時間と空間を共有して対話することに基盤を置く。(A) 前の記事 中国史屈指の混沌時代 従来説覆し、活写=加藤徹 次の記事 大手出版社はいまやコミック、デジタルが収益の大黒柱=永江朗 文字サイズ 小中大 印刷