教養・歴史 書評 『腸と森の「土」を育てる』 桐村里紗著 光文社新書 1012円 2021年11月19日 『腸と森の「土」を育てる』 桐村里紗著 光文社新書 1012円 人は森である、と本書は言う。腸の中には、さまざまな微生物が食物を発酵させて作り出した栄養豊富な「土」がある。人は「腸内環境」という自然環境を体の中に持つことで、外的な環境と接続されているのだ。ところが近年、手軽なファストフードは腸内細菌の多様性を40%も減少させ、各種アレルギーや精神疾患などの原因になっている。本書は心身の不調と環境問題がつながっていることを指摘し、人を含めた地球全体の「プラネタリーヘルス」を提唱する。(K) 前の記事 中国史屈指の混沌時代 従来説覆し、活写=加藤徹 次の記事 大手出版社はいまやコミック、デジタルが収益の大黒柱=永江朗 文字サイズ 小中大 印刷