教養・歴史 書評 『金融化の世界史』 玉木俊明著 ちくま新書 924円 2021年12月17日 『金融化の世界史』 玉木俊明著 ちくま新書 924円 『21世紀の資本』の著者ピケティが「放っておけば格差は拡大する」と論じたことに、欧州の近世経済史を研究する著者は違和感を覚えた。むしろ近現代に格差が一時的に縮まった後、拡大したのはなぜかを問う。大衆消費社会が経済水準を一律に押し上げ格差を縮めたが、金融自由化で金融業が拡大した結果、一部の人々に富が集中している。経済成長は続くが、豊かさは増していない。GDP(国内総生産)から金融業の付加価値を除いた経済指標を提起する。(A) 前の記事 11月18~24日(ビジネス/ノンフィクション) 次の記事 レンタル業から転換。CCCの次の一手はシェアオフィス=永江朗 文字サイズ 小中大 印刷