教養・歴史書評

『金融化の世界史』 玉木俊明著 ちくま新書 924円

『金融化の世界史』 玉木俊明著 ちくま新書 924円

『21世紀の資本』の著者ピケティが「放っておけば格差は拡大する」と論じたことに、欧州の近世経済史を研究する著者は違和感を覚えた。むしろ近現代に格差が一時的に縮まった後、拡大したのはなぜかを問う。大衆消費社会が経済水準を一律に押し上げ格差を縮めたが、金融自由化で金融業が拡大した結果、一部の人々に富が集中している。経済成長は続くが、豊かさは増していない。GDP(国内総生産)から金融業の付加価値を除いた経済指標を提起する。(A)

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