教養・歴史 書評 『遺伝子命名物語』 坪子理美、石井健一著 中公新書ラクレ 990円 2022年1月11日 『遺伝子命名物語』 坪子理美、石井健一著 中公新書ラクレ 990円 新たに見つかった10種類の遺伝子の命名過程をめぐるストーリー。一見すると地味なテーマだが、そこには当事者たちの苦悩と偉業を成し遂げた喜びが凝縮していた。例えば、日中の科学者が携わった遺伝子は、細胞同士が生き残るために競うことに関わっている点に注目し、勝負事の「マージャン(麻雀)」に決定。別の遺伝子は二刀流を思わせる機能から伝説の剣豪にちなんで「ムサシ(武蔵)」となった。素敵な人間ドラマを発掘した著者に感謝したい。(W) 前の記事 『タカラヅカの解剖図鑑 詳説世界史』 中本千晶著 エクスナレッジ 1980円 次の記事 ネットだから売れた本と、ネットでは売らない本 書店に替わる「出会いの場」はあるのか?=永江朗 文字サイズ 小中大 印刷