「ウクライナは滅びず」を歌う 横濱シスターズの動画が反響〈サンデー毎日〉
ロシアの暴挙に痛めつけられるウクライナのために何かできないか。多くの日本人が考える中、女性3人のボーカルグループ「横濱シスターズ」が歌うウクライナ国歌の動画が、ウクライナ国民から大きな反響を呼び、3月10日時点で約49万回も再生された。6日の配信ライブではウクライナ民謡「コサックはドナウを越えて」も歌った。
グループは横浜市を拠点に活動するMAHO、MIWA、AIさんの3人組。R&B、昭和歌謡、ハワイアンなど幅広いレパートリーをもつ。2018年から始めた世界の国歌を歌う企画は、グループのライフワークでもあり、これまで34カ国の国歌を動画にアップしている。
ウクライナ国歌「ウクライナは滅びず」は一昨年、横浜市とウクライナのオデッサ市が姉妹都市提携55周年を迎えたのを機に、レパートリーへ加えようとした。しかし、ウクライナ語の発音をチェックしてもらえる人が見つからずアップを保留していたが、ウクライナに迫る危機に「今届けなくては。ウクライナの人にぜひ聴いてもらいたい」と、急きょ2月15日にユーチューブにアップした。
すると、オデッサ市のホームページなどが取り上げ、7日までに6000件以上のコメントが寄せられた。「今、真っ暗な地下で動画を見ています。光がないのであなたたちの歌が光の代わりです」「ほかの国の人が歌ってくれることがうれしい」などの言葉がウクライナから届いた。ロシアからも「今回のことは恥ずかしく悲しい」というコメントが寄せられた。
ウクライナからのコメントには徐々に緊迫したものが目立ってきたという。「『自分には今死が迫っている。小さいころから日本の文化が大好きなので、生き残ったら札幌や横浜に行ってみたい』といった言葉には悲しくなりました」とリーダーのMAHOさん。ロシアの国歌も歌ってきた3人。国歌を歌うことで望むのは、ただ平和だという。
3月25日には東京都中央区のKen's Bar京橋店(03-6869-7887)でライブ。国歌も披露する。
(川井龍介)