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《最新特集》銅 EV、風力発電で需要爆発 「次の石油」と呼ばれる希少資源=編集部

世界有数の生産量を誇るエスコンディダ銅鉱山(チリ)。三菱商事は1988年から参画 同社提供
世界有数の生産量を誇るエスコンディダ銅鉱山(チリ)。三菱商事は1988年から参画 同社提供

銅 EV・風力で需要爆発 三菱商事、住友鉱山=種市房子

 銅は導電率が高く、従来、家電や送電網に使われていたが、今後は電気自動車(EV)や風力発電機での需要増も見込まれる。石油天然ガス・金属鉱物資源機構(JOGMEC)によると、2019年の銅鉱石の世界生産量は約2074万トン。埋蔵量は限られている上、開発・生産には莫大(ばくだい)な設備投資と専門知識が必要で参入障壁が高いため、供給量には限界がある。長期的には需給逼迫(ひっぱく)が見込まれ「次の石油」と呼ばれる希少資源だ。(グリーン素材・技術 特集はこちら)

 22年は世界でも有数の銅鉱山で生産が開始される。三菱商事が40%出資参画するケジャベコ(ペルー)と住友金属鉱山が25%出資参画するケブラダ・ブランカ2(QB2、チリ)だ。

 ケジャベコは埋蔵量750万トンとみられる世界最大規模の未開発鉱山で生産開始後は年間30万トン程度の生産量が見込まれる。三菱商事は1980年代に銅鉱山開発に参入し、チリやペルーで大型事業にかかわっていた。出資比率に応じた同社の生産量(持ち分生産量)は21・8万トン(21年)だが、ケジャベコが生産開始後は12万トン程度が上積みされて30数万トンになる。商社の中でも銅の持ち分生産量では抜きんでた存在になる。

三菱マは加工で存在感

銅条は加工しやすく、電子機器や熱交換機器など用途は多様 三菱マテリアル提供
銅条は加工しやすく、電子機器や熱交換機器など用途は多様 三菱マテリアル提供

 QB2は22年後半に生産開始予定で、創業後の24年度には年間28万トン程度の生産を見込む。住友金属鉱山は米国、ペルー、チリで銅鉱山開発に携わっている。持ち分生産量は国内企業随一の25万トンに上る(20年度)が、QB2の生産開始により27万トンに上昇する。QB2で年間7・1万トンの上積みがあるものの、約3万トンの持ち分生産量があったシエラゴルダ(チリ)を売却することなどから、差し引き2万トン程度のプラスにとどまる。住友金属鉱山は銅鉱山開発だけではなく、製錬、加工までを手掛けている。

 三菱マテリアルも銅鉱山開発、製錬、加工までを手掛けている。持ち分生産量は住友金属鉱山や三菱商事ほどは大きくないが、製錬で、環境負荷が低く、高効率で安定操業できる「三菱連続製銅法」を持つ。また、銅板製品や、銅板を薄くのばしコイル状に巻いた「銅条」製品で国内シェアトップだ。EVや電子製品の需要増加を見越して、銅加工で20~26年度に300億円を投じて生産能力を3割拡大する。

(種市房子・編集部)

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