教養・歴史書評 『わたしの心のレンズ 現場の記憶を紡ぐ』 大石芳野著 インターナショナル新書 990円 2022年8月19日 『わたしの心のレンズ 現場の記憶を紡ぐ』 大石芳野著 インターナショナル新書 990円 ベトナム、カンボジア、アウシュビッツ。そして広島、長崎、沖縄。写真家である著者は、半世紀にわたり、戦争の悲劇に襲われた地に足を運び、撮影してきた。本書はコロナ禍の現在を「歪んだ日常」と表現してその考察から始まる。そしてベトナムをはじめ戦禍の不条理と被爆者を考えることで「戦争の終わりとは何か」を考え、最終章ではニューギニアの地とともに本当の共生と共存に思いをはせる。それぞれの現場に立った記憶が語らせる本だ。(K) 前の記事 『ポストコロナと現代アート』 ポストコロナ・アーツ基金編 左右社 2750円 次の記事 冷戦時代の開発支援と被支援の国際関係を詳細に考察=評者・上川孝夫 文字サイズ 小中大 印刷