教養・歴史書評

『わたしの心のレンズ 現場の記憶を紡ぐ』 大石芳野著 インターナショナル新書 990円

『わたしの心のレンズ 現場の記憶を紡ぐ』

 大石芳野著 インターナショナル新書 990円

 ベトナム、カンボジア、アウシュビッツ。そして広島、長崎、沖縄。写真家である著者は、半世紀にわたり、戦争の悲劇に襲われた地に足を運び、撮影してきた。本書はコロナ禍の現在を「歪んだ日常」と表現してその考察から始まる。そしてベトナムをはじめ戦禍の不条理と被爆者を考えることで「戦争の終わりとは何か」を考え、最終章ではニューギニアの地とともに本当の共生と共存に思いをはせる。それぞれの現場に立った記憶が語らせる本だ。(K)

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