教養・歴史 書評 『経済学の壁』 前田裕之著 白水社 2420円 2022年9月9日 『経済学の壁』 前田裕之著 白水社 2420円 経済学者の見解や政策提言はもっともらしく、あるいは何かを切り捨てるように聞こえる。そこには暗黙のうちに置かれた所属学派の前提がある。例えば「人間は合理的に選択し行動する」のような。一言で経済学といっても、主流を占める学派のほかに多様な学派が存在する。長年、経済紙記者として経済学界を取材してきた著者は、部外者ならではの視座で各学派の根っこと相互関係をたどる。この見取り図があれば、学者の発言を客観視できるだろう。(A) 前の記事 『応援消費』 水越康介著 岩波新書 968円 次の記事 『ウクライナ戦記 不肖・宮嶋 最後の戦場』 宮嶋茂樹著 文藝春秋 1980円 文字サイズ 小中大 印刷