教養・歴史 書評 『ロシアとシリア ウクライナ侵攻の論理』 青山弘之著 岩波書店 2200円 2022年9月30日 『ロシアとシリア ウクライナ侵攻の論理』 青山弘之著 岩波書店 2200円 ロシアによるウクライナ侵攻は依然終結のめどが立たず、ウクライナ情勢に関する多くの本が世に出た。本書は、ウクライナでもロシアでもなく、シリアを専門とする研究者が記した点で注目に値する。ウクライナ侵攻を論じつつ、著者の狙いは過熱するウクライナ報道の陰で忘却の危険と共にあるシリアの実像を提示することにある。そしてロシアや国際社会がシリアに対して見せた姿勢を鮮明にすることで、ウクライナ問題の論理も見えてくる構造だ。(K) 前の記事 『ウクライナ戦記 不肖・宮嶋 最後の戦場』 宮嶋茂樹著 文藝春秋 1980円 次の記事 『転生 満州国皇帝・愛新覚羅家と天皇家の昭和』 牧久著 小学館 3300円 文字サイズ 小中大 印刷