『ヤクザと金融機関』 海棠進著 朝日新聞出版 1760円
『ヤクザと金融機関』 海棠進著 朝日新聞出版 1760円
バブル崩壊後、長引く不良債権処理が日本経済の重しとなった。金融機関につけこんで多額の融資を引き出し、債権回収を妨害したのがヤクザ(反社会的勢力)だ。本書の著者は、ヤクザからの債権回収を担った預金保険機構に在籍した元日銀マン。彼らが駆使した地上げや総会屋、競売妨害といった手段をつまびらかに記す。預金保険機構は警察、検察、裁判所、国税庁、日銀の出向者から成る混成部隊だった。その知られざる実態についても明かす。(A)
週刊エコノミスト2022年11月15日号掲載
『ヤクザと金融機関』 海棠進著 朝日新聞出版 1760円