教養・歴史書評 読書日記

美村里江の読書日記「ふつうのおんなの子」は万葉の子、原始の子

×月×日

「〇〇女子」がはやった折、何歳までを女子と呼ぶのか? 成人していれば「女性」だろう、など議論があった。しかし『「ふつうのおんなの子」のちから 子どもの本から学んだこと』(中村桂子著、集英社クリエイティブ、1500円)の「ふつうのおんなの子」の定義は飛び抜けて奥深い。理学博士の著者によれば、あの岡本太郎も「ふつうのおんなの子」的だという。

『万葉集』のころは誰もがおおらかで、自然体の魅力に満ちていた。ところが江戸時代の浄瑠璃や歌舞伎には、「女らしさ」が登場する。だから(「ふつう」とは一人ひとり当然違うことを前提として)「ふつうのおんなの子」とは、いわば「万葉の子」で、自然の一部で、時代に左右されない存在なのだ。

残り1005文字(全文1316文字)

週刊エコノミスト

週刊エコノミストオンラインは、月額制の有料会員向けサービスです。
有料会員になると、続きをお読みいただけます。

・会員限定の有料記事が読み放題
・1989年からの誌面掲載記事検索
・デジタル紙面で直近2カ月分のバックナンバーが読める

通常価格 月額2,040円(税込)

週刊エコノミスト最新号のご案内

週刊エコノミスト最新号

5月14日・21日合併号

ストップ!人口半減16 「自立持続可能」は全国65自治体 個性伸ばす「開成町」「忍野村」■荒木涼子/村田晋一郎19 地方の活路 カギは「多極集住」と高品質観光業 「よそ者・若者・ばか者」を生かせ■冨山和彦20 「人口減」のウソを斬る 地方消失の真因は若年女性の流出■天野馨南子25 労働力不足 203 [目次を見る]

デジタル紙面ビューアーで読む

おすすめ情報

編集部からのおすすめ

最新の注目記事