経済・企業特集

クルマの新しい価値を提供するイスラエルのベンチャー=遠藤功治 

    サイバーセキュリティーは自動運転時代に不可欠(イメージ図)(コンチネンタル提供)
    サイバーセキュリティーは自動運転時代に不可欠(イメージ図)(コンチネンタル提供)

     世界では、特定の技術を武器に起業した“スタートアップ”と呼ばれる新興企業が、圧倒的なスピードでビジネスの新たな潮流を生み出している。自動車も例外ではなく、「コネクテッド」「自動運転」「シェアリング」「EV」──いわゆる「CASE」の関連企業が続々と生まれている。なかでも、イスラエル、米シリコンバレー、インドのバンガロール、中国の北京近郊にある中関などでは、コネクテッドや自動運転の領域で優れたソフトウエア技術を持つスタートアップが多数台頭しており、これらの地域が自動車産業の新たな中心地になる可能性がある。

     筆者は今年、イスラエルの自動車関連スタートアップを20社以上訪問した。テルアビブ、ヘルツリーヤ、エルサレムなどの都市を中心に、年間でおよそ1000社ものスタートアップ企業が生まれる。人口比で言えば日本の100倍だ。うち100社程度は創業者が利益を手にし、その大半が株式新規公開(IPO)ではなく大企業に買収される。同国の2017年のスタートアップによる資金調達額は2兆円を超えたが、これは日本の約10倍の規模である。

     同国のスタートアップはソフトウエアやデータサイエンスなどIT系が多いのが特徴で、先進運転支援システムや自動運転向けのカメラに搭載する高性能チップを開発し、同分野で世界トップシェアにあるモービルアイが、米インテルに約150億ドル(1兆5000億円)で買収されたのが典型だ。ソフトで高い技術を持つイスラエルのスタートアップを買収する動きが、欧米企業を中心に活発化している。

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