経済・企業特集

商社 不思議5 積み上がる「現金」 1.3兆円の使い道 収入増でも絞る投資=成田康浩

    伊藤忠が約1200億円で子会社化(ファミリーマート)
    伊藤忠が約1200億円で子会社化(ファミリーマート)

     大手商社が、帳簿上の最終利益よりは、実物のキャッシュフロー(現金収支=CF)の増加を重視する姿勢を年々強めている。大手7社(三菱商事、三井物産、伊藤忠商事、住友商事、丸紅、豊田通商、双日)合計のフリーCFは2015年3月期から黒字が定着しており、17年3月期と18年3月期は1・3兆円前後の現金を獲得した。過去最高は10年3月期に記録した2兆円程度だが、現在はそれに次ぐ規模だ。ただ、10年3月期はリーマン・ショック(08年)を背景にトレード(取引仲介)事業が急減したことや、新規投資を緊急的に絞り込むなど特殊な状況下にあった。こうしたことを考慮すると足元のフリーCFは歴史的にも高水準だ(図1)。

     フリーCFは営業CFと投資CFの合計で(囲み参照)、高水準のフリーCFを支えているのは、営業CFの高さだ。その主な要因は、16年以降の石炭や原油など資源市況の回復で、これらの資源市況は12年ごろから下落基調だった。この際に各社がコスト削減などに努めたことから、足元の資源価格回復が営業CFの改善につながりやすかった。非資源分野も、世界的な景気回復も後押しして改善基調である。

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