新規会員は2カ月無料!「年末とくとくキャンペーン」実施中です!

経済・企業 特集

商社 不思議2 “格上げ”相次ぐ 財務規律の姿勢鮮明に 成長投資は保守的に=種市房子

5大商社で格付け・見通し引き上げが目立つ
5大商社で格付け・見通し引き上げが目立つ

 最近1年間で、商社は、格付けやその見通しの引き上げ・上方修正ラッシュを迎えている。象徴的だったのは、伊藤忠商事の長期格付けだ。S&Pグローバル・レーティングスが今年7月、Aマイナスから1段階上げてAに、ムーディーズがBaa1からA3に1段階上げたのだ。

 伊藤忠は、中国国有複合企業・中国中信(CITIC)へ6000億円も投資したにもかかわらず、相乗効果が出ていないと指摘されており、財務基盤への不安が指摘されていた。それにもかかわらず格上げした理由について、S&Pは「保守的な投資方針と財務規律を継続する姿勢を明確にしている」と説明する。S&Pが評価しているのは、伊藤忠が5月に発表した中期経営計画(2020年度まで)で「株主還元後の実質フリー・キャッシュフロー(純現金収支)の黒字継続」と明記していることだ。

 商社は資源、農業・穀物事業の巨額投資が裏目に出た2010年代半ば、低格付けにあえいできた。理由の一つは、有利子負債を抱えながら巨額投資したのにもかかわらず、十分なリターンが得られないことだった。また、資源事業を中心に、資産の大型減損リスクがあるのにもかかわらず、それを埋め合わせる資本が十分でないとみなされていた。格付けは債券の元本支払い能力を評価するもので、商社にとっては低いほど資金借り入れ条件…

残り749文字(全文1305文字)

週刊エコノミスト

週刊エコノミストオンラインは、月額制の有料会員向けサービスです。
有料会員になると、続きをお読みいただけます。

・会員限定の有料記事が読み放題
・1989年からの誌面掲載記事検索
・デジタル紙面で直近2カ月分のバックナンバーが読める

通常価格 月額2,040円(税込)が、今なら2ヶ月0円

週刊エコノミスト最新号のご案内

週刊エコノミスト最新号

12月3日号

経済学の現在地16 米国分断解消のカギとなる共感 主流派経済学の課題に重なる■安藤大介18 インタビュー 野中 郁次郎 一橋大学名誉教授 「全身全霊で相手に共感し可能となる暗黙知の共有」20 共同体メカニズム 危機の時代にこそ増す必要性 信頼・利他・互恵・徳で活性化 ■大垣 昌夫23 Q&A [目次を見る]

デジタル紙面ビューアーで読む

おすすめ情報

編集部からのおすすめ

最新の注目記事